「姿イセエビ、味クルマエビ」といわれるほど美味しい車海老ですが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。高級海老である車海老をせっかく手に入れたのなら、存分にその味を堪能できるよう美味しく食べたいですよね。
また、現在では養殖物の車海老も盛んに市場に出回っているので、天然物の車海老と比べてどのような違いがあるのかも気になるところです。
そこで今回は、車海老の特徴と合わせて車海老の旬や美味しい食べ方、天然物と養殖物の違いなどを徹底解説していきます。車海老を食べる際や、お土産にする際には、ぜひ参考にしてみてください。
車海老の特徴
車海老は、一般的に高級な海老として知られています。体を丸めたときの縞模様が車のタイヤと似ていることから、車海老と呼ばれるようになりました。
体長は15cm前後で、大きい個体だと20cmを超えることもあります。見た目は灰色の美しい体にくっきりとした縞模様があり、尻尾は虹色に輝いているのが特徴です。
車海老は、東南アジア全域に生息しており、日本では北海道南部以南に生息しています。日本では天然物の車海老の生産数が少なく、主な産地は沖縄県や鹿児島県、熊本県などの地域です。
現在では養殖物の車海老が盛んに取引されるようになり、天然物の車海老と遜色ない味を楽しめるようになりました。
大きさで呼び名が変わる車海老
車海老は、体の大きさによって呼び名が変わるのをご存知でしたか?
成長に連れて呼び名が変わるため、車海老は出世海老と呼ばれるほど縁起が良い海老です。
10cm以下の車海老を「コマキ」と呼び、10cm以上だと「マキ」、15cm以上だと「クルマ」、20cmを超える大きな車海老は「オオグルマ」という呼び名になります。
大きさで呼び名が変わることも、車海老の特徴の一つです。
車海老の旬
天然物の車海老は、6月〜8月の夏に旬を迎えます。
身はプリプリとして濃い味が特徴です。そのままでも十分に甘さを感じるため、旬の車海老は難しい調理をしなくても良いでしょう。
また、天然物の車海老は市場に出回ることは少なく、大きさもさまざまです。その年によっては漁獲量が少なく、入手困難な場合も少なくありません。そのため、旬の夏以外でも車海老を楽しめるように、現在では養殖の技術が進歩し、全国どこでもいつでも車海老を楽しめるようになりました。
養殖物の車海老でも、天然物に負けず劣らずの味をしており、旬は天然物の車海老とは真逆にあたる12月〜2月の冬です。夏に良い天然物の車海老が手に入らなければ、養殖物の車海老に切り替えてみてはいかがでしょうか。
車海老の美味しい食べ方
「姿イセエビ、味クルマエビ」といわれるほど海老の中でもトップクラスの美味しさを誇る車海老ですが、どのような調理方法でより美味しく食べれるのでしょうか。
車海老は良質なタンパク質のかたまりで、ほとんど脂肪がないヘルシーな食材です。
ここでは、車海老の美味しい食べ方をいくつかご紹介していきます。車海老を手に入れた際は、ぜひ参考にして調理してみてください。
車海老のお刺身
新鮮で活きの良い車海老であれば、生きたまま捌いてお刺身にすると良いでしょう。醤油やわさびをつけて、お酒やお米と一緒に食べると格別に美味しいです。
捌き方は簡単で、頭と胴体を切り離し、足と殻を剥いていきます。背中に包丁を入れ、背わたを取って水で洗い、水気を取ったら完成です。このとき、背わたを取り忘れないよう、注意してください。
お刺身は車海老本来の味を引き出してくれ、プリプリとした食感に甘い味が楽しめるでしょう。
車海老の塩焼き
塩焼きは、車海老の香ばしい香りを堪能できる調理方法です。作り方も簡単で、塩をふって魚焼きグリルで焼くだけで美味しく食べられます。
お刺身とは一味違った歯ごたえのある食感を楽しめるだけではなく、車海老の香ばしい風味を感じることができるでしょう。
また、甘みがより一層強くなるためビールとの相性が良く、おつまみとして食べられる人も多いようです。車海老の特徴的な味を楽しみたい方におすすめの調理方法となっています。
車海老のボイル
車海老は、ボイルでも美味しくいただけます。
沸騰したお湯に塩と水洗いした車海老を入れ、鮮やかな赤色になって浮いてきたら引き上げましょう。火が通り過ぎると身が固くなってしまうので、注意が必要です。
お刺身などの生で食べることが苦手な人は、ボイルで車海老を食べてみてはいかがでしょうか。プリプリとした食感に、甘さを堪能できます。
車海老の天ぷら
車海老の天ぷらも非常に人気のレシピです。
180度に熱した油で捌いた車海老を揚げ、めんつゆや薬味をつけて食べます。日本酒と合わせて食べる人も多いようですが、天ぷらの衣と車海老のプリっとした歯ごたえは堪らなく美味しいです。
美味しい車海老の見分け方
車海老を購入する際は、できる限り新鮮なものを選びましょう。
尻尾や頭が黒ずんでいない美しい体をした車海老で、身がぎっしりと詰まっていそうなものを選ぶと、新鮮な車海老である可能性が高いです。
天然物と養殖物では車海老の美味しさが違う?
天然物の車海老と養殖物の車海老では、車海老の味が違ってしまうか心配ですよね。しかし、近年では天然物でも養殖物でも、味は大きく違いません。
見た目は天然物の車海老の方が美しいですが、養殖物の車海老は大きさを均等に育てることができるため、出荷もしやすく価格が安い傾向にあります。
天然物の車海老は身が引き締まっていて美味しいのが特徴ですが、生産数が安定せず、価格も高いのがデメリットです。
夏に天然物の車海老が手に入らなかったときは、養殖物の車海老を購入し、美味しくいただいてみてはいかがでしょうか。車海老の特徴である甘みとプリプリの食感を楽しんでみてください。
まとめ
車海老は、体を丸めたときの縞模様が車のタイヤに似ていることから車海老と呼ばれるようになりました。体長は15cm前後のものが多く、尻尾は虹色で、美しい体が特徴的です。成長に連れて呼び名が変わる「出世海老」としても知られ、日本人にこよなく愛されています。
身はプリプリとした食感に濃い味が特徴で、お刺身や塩焼きなどのシンプルな食べ方がおすすめです。
旬の夏に天然物の車海老を手に入れることができたら、ぜひ美味しい調理方法で食べてみてください。また、養殖物の車海老でも天然物に引けをとらないので、冬でも車海老が食べたくなったら、養殖物の車海老を試してみてはいかがでしょうか。